今回の実習目標は「受け持ち利用者の介護過程のプロセスをとおして、介護の魅力を理解することができる」というものです。介護福祉士の資格所得を目指す2年生が、8月20日(水)~9月19日(金)の15日間、県内の実習施設に分かれて「介護過程実習」に取り組みました。
実習では、学生が1人の利用者を担当し、その方らしい生活に向けて、情報収集とその評価を行い、それをもとにした介護計画の立案、そして実施と評価までを行いました。また、介護職だけでなく、看護師、ケアマネジャーなどとの多職種連携についても学んできました。
実習中、学生たちは「担当の利用者がどんな生活を望んでいるのか、何に困っているのか」などを把握するため、これまでの経験を活かしながら熱心にコミュニケーションをとっている姿が見られました。
立案した援助内容を実際に実施したときには、受持ちの入居者から「ありがとう」との感謝の言葉と、それとともに相手からの笑顔を見て、あらためて介護福祉職のやりがいを感じたようです。
受け持った利用者さんから、最終日に手紙をいただいたとの報告も学生からありました。「ご苦労様でした」「職員とAさんとで歩行器で歩けて嬉しかった」など、学生と過ごした時間への喜びと、学生の関りに対する感謝の言葉がつづられていました。
受け持ち利用者の方と鶴を折る様子(写真提供:ふなはし荘)
学生の感想をいくつかご紹介します。
- 今回の実習では、職員の方々の明るい雰囲気や利用者のみなさんへの関わり方、介助の実際や多職種連携を見て、あらためて「介護っていいな」と感じました。利用者ごとに合わせたクッションや部屋に飾られている写真など、職員手作りのものも多くあり、とても温かい施設だなと感じました。疑問点を質問するたびに丁寧に答えてくださったこともうれしかったです。
- おむつ交換、スライディングボードを用いた移乗やトランス移乗を何度も経験させていただき、最終的には一人で最初から最後までおむつ交換をすることができました。たくさんの生活支援技術を経験し、身につけることができたと感じています。
- 実習を通して、利用者一人ひとりに合わせた支援の大切さを学ぶことができました。介助に入る中で、教科書や授業だけでは分からなかった細かな配慮や声かけの工夫を知ることができ、現場で働く介護職の姿から多くの学びを得られました。また、利用者の方と関わる中で、信頼関係を築くことの難しさと同時に、笑顔や感謝の言葉をいただいたときの大きなやりがいも実感しました。
- この実習を通して、自分に不足している知識や技術も明確になり、今後の学習や実習でさらに成長していきたいという気持ちが強まりました。介護福祉士として必要な「相手の立場に立って考える姿勢」を大切に、これからも努力を続けていきたいです。
- 障害者施設では、残存機能の維持だけでなく「向上」といった、高齢者施設とは少し異なる視点が勉強になった。また、利用者のみなさんはとても優しく、明るい方が多かったことも印象に残っている。
この実習を通して思うことは、コミュニケーションを取るのが不得意な利用者であっても、何よりも観察を第一として、いつもと違う点への気づきを大切にしなくてはいけないと感じたことである。