幼児教育学科1年生を対象とした後期開講の専門科目、保育内容(造形表現Ⅰ)と保育内容(音楽表現Ⅰ)のコラボレーション授業を紹介します。
まず、造形表現Ⅰ(担当:中山准教授)の授業で4人のグループに分かれ、身近な日用品や廃材、自然素材との出会いと、新たな音の発見をしながら、音を楽しむ音具やオブジェの製作に取り組みました。
次に、音楽表現Ⅰ(担当:難波准教授)の授業で、音の出るしくみ(叩く・こする・振る・吹く・はじく等)や音を感じる方法について学び、幼児期にふさわしい楽器について考えました。製作時には、できる限りグループで多様な発音原理をもつ音具になるよう工夫を凝らしました。
さまざまな素材に出会い音楽づくりをする学生
続いて、完成した手作りの音具を持ち寄って、グループごとに曲づくりを行った後、図形楽譜を作成しました。
図形楽譜(伝統的な五線譜とは異なる、図形によって表記された楽譜)
創作した自分たちの音楽を、色や形に変換!
最終授業では、グループごとにコンセプトや工夫した点、音の出し方などを発表した後、簡単な演奏会を行いました。
やさしい音を鳴らすため、バチも工夫して作りました
お手玉のように、上に投げて受けとったときの音も楽しめます
図形楽譜をもとに演奏しています
リズムや音の重なりの面白さなど、豊かな発想で曲をつくりました
肩かけ式のトタン板や頭につけているフタも音具のひとつです
このように、富山短期大学 幼児教育学科では、「造形」や「音楽」の領域の枠を超えて、保育者をめざす学生自身が表現する喜びを味わえるような授業を展開しています。
そして、「表現する」とはどのような意味があるのか、体験的に学ぶことで、子どもの表現をしっかり受け止められる感性を身につけていきます。
【 学生の感想 】
- はじめは自分たちが作るもので音楽ができるか不安でした。しかし、さまざまな素材に出会い、工夫することで新たな発見があり、驚きや嬉しさを感じることができました。
- 音楽と造形のコラボ授業は初めてでしたが、さまざまな素材や音との出会いがあり、新しい発見がたくさんありました。子どもたちと活動すると、もっと違った発見があるのではないかと思います。とても充実した授業でした。
- グループのメンバーと、「この音いいね!」「こうしたらきっと、もっと良くなるよ!」など褒め合えたり、自分では考えもつかなかった音ができたりすることが、とても楽しく感じました。
- 廃材で音具を作って演奏できか不安でしたが、「叩く」「振る」だけでも音が鳴ることに気づきました。次に素材を一つ変えるだけで違う音が鳴ることに気づき、作ることが楽しくなりました。
- 手作りの音具は音階がないので、どのような曲にすれば良いか悩みました。しかし、3つのリズムを決めて強弱をつけたり、合わさったりすると、一つ一つの音具の良さが活かされました。音階がないからこそ、それぞれのグループ独自の良さがあり、個性を感じることができました。
- 図形楽譜を作る際、一つ一つの音をゆっくり鳴らして、どんな風に聞こえるか、何色に感じるかを伝え合うときは、各々で感じ方が異なっていました。一人一人聞こえ方が違うということが「表現」において、とても大切な点だと思いました。
- 発表の場面では、他のグループの演奏で頭に音具をのせて鳴らしたり、みんなで音の鳴るカプセルを投げたりと、見ていて楽しくなるような工夫がされていて、とても勉強になりました。
- 音具作りをしてみて、何通りもの使い方や音の出し方があり、グループ内でさまざま意見が出ました。「発想が広がれば、無限の表現ができる」と思いました。固定概念を捨てて、自分なりの表現を大切にしたいです。
- これまで、既成の楽器から音を奏でることしかしてこなかったので、木や空き缶などを使って、一から音具を作ることで、いろいろな音を楽しむことができました。
- 保育者の立場でも、子どもたちの新しい発見を多く引き出すために、さまざまな遊びを提供し、発見した喜びを感じられるようにしたいです。