2022(令和4)年6月4日(土)、「子どもの最善の利益と質の高い教育」を主題に、第49回 幼児教育研究会を、本学E館を会場として開催しました。
午前中に「子どもが主体となる遊び」と「保育施設の安全管理」をテーマとして、2つの分科会を行いました。午後には、「『個別最適な保育』とは?」をテーマに講演・意見交換を実施して研修を深めました。
本学の学生と、県内の保育所・認定こども園・大学関係者など、合わせて約220名が参加しました。
本学E館会場
参加者受付はこちらです
本学卒業生の姿も多く見られました
●第一分科会
「子どもが主体となる遊び」
座長:梅本 恵(本学教授)
話題提供:坂本 優介 氏(若葉保育園)、橋本 冴佳 氏(田家保育所)
「遊びの中での試行錯誤」を重視した4歳児クラスの実践と、園庭環境を保育者と子どもが共に作り上げていく5歳児クラスの実践が報告されました。
グループワークでは、現場保育者ならではの視点で共有し、実践の方向性を探りました。
話題提供の先生方
座長:梅本教授
実践報告のようす
参加者同士の意見交換タイム
【 第一分科会参加者の感想 】
- 他園での取り組みを知ることで、自分の保育の視野が広がりました。子どもの楽しさや、発見を引き出す手伝いをするのが保育者の役目だと再認識しました。
- 保育の実践が写真等を通してとてもわかりやすく、子どもが主体的に取り組む姿に感動しました。自園の保育を見直す良い機会になりました。
- 子どもが考えたこと、疑問に思ったこと、やりたいと思ったことに、保育者も寄り添い、何より保育者も楽しそうに活動を行っていたところが印象的でした。
- 「子どもの主体性とは」日々の保育で考え、悩んでいるところでありました。2園の取り組み、実践を拝聴し、子どもの声を聞く、姿を捉えるなどを把握すること、子どもの声を実践に移していくことの大切さを感じました。
●第二分科会
「保育施設の安全管理」
座長:松居 紀久子(本学准教授)
話題提供:浅野 栄子 氏(奥田保育園)、前川 清和 氏(四方こども園)
災害時の地域との連携体制、不審者に備えた防犯体制等、生命を脅かす様々な場面での実践報告から、保育者個人と保育施設としての取り組みについて、話題提供がありました。
話題提供の先生方
洪水ハザードマップを手に語る前川先生
不審者に備えた防犯体制について語る浅野先生
聴き入る参加者のようす
座長:松居 准教授
【 第二分科会参加者の感想 】
- 災害や、防犯についての基本的なことを改めて考えさせられました。自分の意識改善につながったと思います。とても良い話を聞くことができました。
- 災害や不審者対応について、日頃から職員間で話し合うことや、地域、専門機関の力を借りて、自分たちの知識を増やしたり、対応できる力をつけていきたいと感じました。
- 訓練や子どもに対し、日頃からの保育教諭自身の意識が大切であると感じた分科会でした。
- 明日から意識改革をして、訓練に取り組みたいです。他の職員にも伝えたいと思います。
●講演・意見交換
「『個別最適』な保育とは?」
講師:開 一夫 氏(東京大学大学院 教授)
保育において大切な点を、最新の科学的知見に基づいて、先生ご自身の研究紹介を交えながらお話いただきました。
午後の部:講演
東京大学大学院 開 一夫 教授
講演会場のようす 本学科2年生も参加しました
「意見交換・自由討議タイム」 フロアからご意見をいただきました
質問に応じる開教授
【 講演参加者の感想 】
- 事前に開先生の動画等を見せていただき、先生の研究と日頃の保育を考えながら、講演を聞かせていただきました。いつもと違う角度から保育を考えるきっかけになりました。
- 赤ちゃんの脳に関する研究を、わかりやすい言葉で講演くださいました。乳児保育の意義を、保育とは違う面から考える機会となりました。
- 研究の内容がとても興味深く、保育、子育ての中で大切なことの裏付けになっていると思いました。
- 便利な世の中で、子どもたちの考える力、生活力、ハングリーさ、生きる力が弱くなっていることを感じています。子どもたちが、自分で決めて、自分で問題提起をし、自分で解決する能力をいかに育てていくかを学びながら、子どもたちの成長を援助しています。赤ちゃんの時からのさまざまな研究を基にお話をお聞かせいただき、とても学びになりました。
富山短期大学幼児教育学科には、50年以上にわたって培ってきた保育者養成校としての社会的信頼があります。
今回、研究会に参加してくださいました皆さまをはじめ、本学ならびに本学科の教育活動に理解とご協力をいただいている皆さま方に深く感謝申し上げます。