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今回スポットを当てるのは、経営情報学科の卒業生のキャリアストーリーです。本学科から「図書館司書の正職員」としての採用者が出るのは、直近10年間を振り返っても極めて稀な、まさに一つの「突破口」とも言える快挙です。小学生の頃、地元の駅前図書館(CiCビル)に通い詰めながら抱いた「司書になりたい」という純粋な夢。その夢を現実のものとした卒業生の日常を紐解きます。
司書の本分は、単に本を並べることではなく、「読みたい」と願うすべての人と情報の架け橋になることです。彼女が情熱を注ぐのが、視覚障害を持つ方への読書支援です。視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」を駆使し、オンラインでのリクエスト対応から、データのダウンロード、郵送貸出までを担います。「本屋大賞の作品を読みたい」というリクエストに応えられた瞬間は、まさに司書冥利に尽きる喜びだと言います。ちなみに朝井リョウ (著)『イン・ザ・メガチャーチ』の点字版は全7巻になります。
さらに彼女は、その使命感をより確かなものにするため、毎週火曜日の2時間、点字の習得に励んでいます。「表を見なくても読めるようになりたい」 そのひたむきな努力は、文字という光を必要とする人々へ、確実な情報を届けるための「プロとしての献身」そのものです。
彼女の真骨頂は、データの裏側にある「利用者の心」を読み解く洞察力にあります。貸し出した本が早く帰ってきたら、2通りを考えます。「おもしろかった? 途中でやめたのかな?」返却が早かったのは、一気に読み耽るほど面白かったからか、あるいは期待に沿わなかったのか。利用者の名前を覚え、その好みを把握しているからこそ、「おすすめ本」への反応も生まれます。メモのない曖昧なリクエストにも、キーワードを頼りに「これですか?」と探し当てる。「おもしろかったから、同じ作者の別の本も読みたい!」 そう声をかけられることもあります。
「子どもの頃の夢は叶えましたが、まだまだ修行の日々が続きそうです」
正職員採用という栄誉を手にしてもなお、彼女はどこまでも謙虚です。生活リズムを整え、早起きに慣れ、点字を一字ずつ覚え、利用者の名前を心に刻む。その静かな積み重ねこそが、地域の人々の読書体験を支えています。
みなさんの幼い頃の夢も、未来の仕事につながるかも知れません。夢を叶えたその先で、新たな修行の道を歩み始めた彼女の姿は、キャリアを築くことの本質的な意味を私たちに問いかけています。
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